農耕地の環境 3

その変化をいち早く察知したのは、山の草や森の草ではなく、ある一群の放浪性のある草でした。


そして作物の多くは、この放浪性のある植物群から選ばれているのです。


この点についての詳細はほかの機会にゆずります。


さて、人間が日々の生活を送っているうちに、固有の土壌環境をつくり、その土壌を占拠しやすい植物、原始的な作物が茂ったとしましょう。


その小さな空間に、今一つの生きた環境がありました。


今度は日で確かめることのできる地上の生物集団です。


具体例をあげましょう。


6月中旬、エソバクの実はほとんど熟しかけており、隣の土手にはヨモギの原にヨモギハムシがるり色に光っていました。


農地の生物群を知るため、この一角の動植物全部を調査することになりました。


その結果、エンバク畑1平方メートルの地表、地上部に、昆虫および小動物は2万2860頭、ヨモギ群落では、1万1260頭という数がでました。

農耕地の環境 2

微生物や腐植質を餌としている原生動物、ネマトーダ類、ワムシ類、トビムシ類といった微小動物がいます。


そして、肉眼でもわかるワラジムシ、ヤスデ、ミミズ、ケラもいるでしょう。


これらの大小の土壌生物はみな有機的に関連し合って、生きているのです。


これらの微生物のなかには、作物という宿主がいないと増殖しないものもいます。


作物と共生して増える根粒.バクテリアもいます。


また、ある種のバクテリアや藻類は、空気中の窒素を固定します。


そうして、土に供給される窒素の量は無祝できないほど多いことがあります。


一握りの耕土は、このように多様の生物群が、互いに均衡を保って無数の代謝を営んでいる生命体ともみることができます。


居住地周辺に起こったであろう土の変化は、土に住むこれら微生物の変化でもあります。


農耕地の環境

人が生きてゆくためには、大なり小なり、自然への干渉なしでは済まされません。


日常のたわいない、小さな営みの繰り返しではありますが、そこには特異な環境をつくりだしました。


切り開かれた樹冠からさしこむ光にさらけだされた大地、土をこね、石を掘り起こすために表土は撹乱される、動物や植物の食物の屑も無造作に捨てられます。


土の上は寝室であり、食堂でもあります。


赤ん坊も土に這い、死者は土に葬ります。


まず、人間生活は土に変化をもたらしました。


もし、どこか近くの畑で一握りの土をとって、その土に含まれる生物を知ろうとすると、まず一生かかっても全部を知り尽すことはできません。


放線菌やバクテリア、糸状菌(カビ類やキノコ類)、緑藻類は耳かき一杯の土にも、数万から数百万の単位で生きています。

消費者の知る権利 3

消費者の権利を定式化したものとしては、ケネディ大統領が「消費者の利益保護に関する大統領特別教書」(1962年3月)であげた4つの権利が有名です。


つまり・・・


1.安全を求める権利


2.知らされる権利


3.選択する権利


4.意見を聞いてもらう権利


・・・この4つです。


1.の「安全を求める権利」は文字どおり、健康あるいは生命に危険な商品の販売から消費者は保護される権利です。


2.の「知らされる権利」は、正しくない、ごまかしに満ち、かつひどく誤らせるような情報、宣伝広告、レッテルおよびこれに類似する商業慣習から保護され、商品の売主から教えられたとおりに選択しても、自分の要求を満たすことができる権利です。


3.の「選択する権利」は、できるかぎり多くの種類の品物、便宜を、納得のいく価格で入手できるように保証される権利です。


とくに政府の法令がただちにその業種の方針ともなる独占企業においては、納得のいく品質および便宜を納得のいく価格で供給されることとしています。


4.の「意見を聞いてもらう権利」は、政府が法令を制定、施行する際、消費者の利益にたいして、十分な同情的考慮が払われることが保証され、公正にして迅速な取扱いが保証される権利です。

消費者の知る権利 2

ところが、企業の目的のためには手段を選ばぬ利潤追求や、企業競争の重点が価格競争から非価格競争へと変わり、製品差別化戦略が追求される結果・・・


誇大広告や不正表示などにより、消費者の商品選択が誤った方向へ誘導されるばかりか、欠陥商品と知らずに買わされたり、時には有害食品や薬害によって身体、健康に重大な被害を被る危険も生まれてきます。


・・・たとえば、馬肉を「牛肉の大和煮」として売ったニセ牛かん事件、レモンを含まないポッカレモン事件、合成着色料を使用した「ジュース」や国産品を「舶来品」と表示するなどの不実、虚偽、欺購にみちた不正表示広告からはじまり・・・


欠陥車、連続ショック死を招いた風邪薬など、さまざまな問題が生まれ、企業批判が高まりました。


消費者の立場からの企業批判としてのコンシューマリズムの歴史は、戦前にまでさかのぼります。


ラルフ・ネーダーによるGMの欠陥車告発を契機に戦後大きく燃え上り、今日、全世界的に発展してきており、そのなかで消費者の「知る権利」というものが確立してきました。

消費者の知る権利

中小企業では、一般的にいって、大企業のように原価をはるかにこえて価格を吊り上げるということをしていないので、消費者にたいして隠さなければならないものをもっていません。


したがって大企業にたいするような原価公表の社会的必要性はないのですが、消費者の信頼をかちえるため、積極的に原価を明らかにしているところもあるといいます。


大企業の原価公開を求める点で、中小企業と消費者の要求は一致しているのです。


さて、消費者の知りたいことは、不当に高い値段で買わされているかどうか、に限られるものではありません。


商品の成分、性能などその使用価値も大きな関心事となっています。


しかし、多くの商品が高度に複雑な専門的技術によってつぎつぎと大量に生産されている現代では、消費者の知識には限りがあり、それも急速に陳腐化していくのが避けられません。


したがって消費者は、もっぱら企業が広告や製品表示などをつうじて提供する情報に依存しなくてはなりません。


大企業の秘密

大企業は行政指導による値上げの承認や国庫からの助成金などをうけようとするときには、官庁にたいし積極的に原価や損益を公開しています。


公表拒否論は自分の利益本位の御都合主義でもあるのです。


日本の独禁法が適用されない外国企業を不当に利するというのも、内外の独占企業が相互に原価を出しあって価格を協定している国際カルテルの存在に目をつぶった議論でしかありません。


第二次世界大戦前には世界貿易の50%もが国際カルテルの影響下におり、現在でも農産物を除く世界輸出品の10~30%が各種カルテルの支配下にあると推定されています。


・・・このことは、多国籍企業にも適用可能なように、現行独禁法を強化する必要をこそ示しているのです。


他方、大企業は下請など系列下の中小企業にたいしては、原価計算方法をきめ、オンライン化によって、その原価、損益の状況をすべて把握しています。


下請の努力によってコストが下がると、加工賃を値切り、保証利益を圧縮します。


そればかりか、さらにいっそうコストの切下げをも要求し、これにこたええないところには発注のストップを行なうのです。

漆喰という素材 2

わたしは自宅を外壁リフォームして以来、すっかり壁というもののとりこになってしまいました。


奈良時代に白土または消石灰に混入された糊料は米粥が主で、海藻の使用は早くても桃山時代の近世城郭建設時を遡りません。


・・・この点、電子顕微鏡による捜査結果と真向から矛盾します。


ここで想起されるのは大正9年に刊行された『法隆寺金堂壁画保存方法調査委員会報告書』で、そこでは壁土への「鹿角菜」(ふのり)の混入が記載されています。


ところが同寺昭和大修理の報告では、この点について全く触れていないところを見れば、ここでは海藻糊液の使用は確認されなかったのでしょう。


・・・思うに、大正報告書では分析の方法等その根拠を示していないので、調査者は現行の左官工法の知見で往時の技術を類推し、さきの記載となったものでしょう。


今回の顕微鏡捜査も、それと同じ誤りを犯していなければ幸いです。


もっともその報告はあくまで海藻胞子状物質「らしいもの」であって断定は下しておらず、なお他の物質である可能性も残しています。


もしこれを明確にしようと思えば、化学的に定性するより方法はないでしょう。


漆喰という素材

漆喰は、収縮のきわめて大きい材料です。


まだ外壁リフォーム技術など存在しなかった時代、既に法隆寺において土・白土にその使用が認められています。


当時、消石灰にも混入する知識があったと考えるのが自然であって、事実、奈良時代の造寺記録にはそのことが明記されています。


・・・ここでスサが認められないというのですから、この漆喰塗は通常の左官工事とは別の発想で施工されたものと考えざるを得ません。


この点については、別の機会に壁画技術と併せて再度考察を加えることにします。


次に、消石灰をクリーム状に練る媒体としては、現在の日本では海藻(ふのり・つのまた等)を煮沸して得る糊液を用いるのが普通です(ごく最近では合成樹脂系の化学薬品も用いられるようになりました)。


消石灰は、単に水練りするよりも、糊液による方がよりよい施工性を得られます。


このことは現在の建築材料学でも承認されており、また石榔と同質の石材に海藻糊液で練った消石灰の塗り付けに成功した実験例もあります。


アメリカのフードストア 4

従業員はパートを含めてのべ10人います。


売場には常時1人しかいません。


しかし、後方でオーナーが事務処理などを行っており忙しくなると手伝っています。


300平方メートル以上の店を1人で守備しているわけで、労働生産性をあげるためには大きい売場を少ない人員でやることが原則です。


・・・これまた日本の酒販店やサッカー ユニフォームを取り扱うショップは見習う必要があるようです。


アメリカのSM(スーパーマーケット)業界の中でも、卸売業のスーパーバリューが展開するディスカウント・スーパーマーケット(スーパー・ウェアハウス・スーパーマーケット)は、強力な店として知られています。


これらは現在104店舗が展開されていますが、そのうち54店舗が直営で、残り50店舗はFC(フランチャイズ)店です。


FC店には最初からFC店として開発されたものと、立地の悪くなった取引先に旧店を閉店させて、盛業中の直営カブフーズをFCとして譲渡したものとがあります。


カブフーズは平均規模が8000平方メートルはあり、大型なので、商圏人口は少なくとも6万人以上ないと成立しないでしょう。


しかし、スーパーバリューの得意先の独立小売店は、必ずしも大商圏を持つ有利な立地に店を構えているとは限らないのです。

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